2014年1月4日土曜日

NISA口座のメリットとデメリット

NISAが騒がれ出してから暫く経つが、今更ながらにNISAのメリットとデメリットを検討してみたい。

(1)NISAの概要
①NISA口座で取得をした上場株式等の配当や譲渡益が非課税となる。
②2014年から2023年までの10年間、毎年、非課税管理勘定が設定できる。
③非課税となる期間は最長5年間である。
④非課税となる投資額の上限は毎年100万円までである。
⑤NISA口座で生じた売却損はないものとみなされ、他の口座との損益通算や損失繰越ができない。

(2)NISAのメリット
①NISA口座で取得をした上場株式等の配当や譲渡益が非課税となる。
⇒上場株式等の譲渡所得及び配当所得に設けられていた軽減税率が2014年1月から廃止され、本則の20%の税率に戻る。このような増税の環境下で、一部とはいえ非課税での株式取引ができるのは大きい。

(3)NISAのデメリット
①NISA口座で生じた売却損はないものとみなされ、他の口座との損益通算や損失繰越ができない。
⇒NISAのメリットは、NISA口座内で利益が出なければ発揮されない上に、NISA口座以内で損失が出た場合には通常の証券口座よりも不利になる。
損益通算ができないデメリットは勿論のこと、損失繰越ができないデメリットも長期的な観点で見れば大きなデメリットとなりうる。

(4)毎年100万円の上限の考え方
2014年2月に株式Aを40万円で取得、6月に株式Bを30万円で取得したとする。
非課税投資枠の残りは100万円-40万円-30万円=30万円である。
この後株式Aを9月に50万円で売却したとしても、株式Aの投資額40万円を再利用はできず、2014年中の非課税投資枠は30万円のままである。
なお残った投資枠を翌年に繰り越すこともできない。

(5)有利なケースと不利なケースのシュミレーション

      NISA口座 特定口座
ケース1 +20万円 +50万円
ケース2 +20万円 △50万円
ケース3 △20万円 +50万円
ケース4 △20万円 △50万円

NISA開設が有利なケース⇒ケース1、ケース2
NISA開設が不利なケース⇒ケース3、ケース4

(6)めかぶの考え
NISAはしっかりと長期投資に使えば有利に働く可能性が高いと思うが、税金のことを考えながら取引をしなければならなくなる点、複数の口座を考えなくてはならなくなる点、など面倒な点も多いと思う。

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