リコール隠し問題以降厳しい状況が続いていた三菱自動車だが、最近の業績は平成24年3月期の当期純利益が23,928百万円、平成25年3月期の当期純利益が37,978百万円、と黒字を確保している。
しかし、厳しかった時期の累積損失(繰越利益剰余金△924,638百万円)が依然としてあったため、資本金と資本準備金を取り崩して繰越利益剰余金に充当し、欠損填補をすることを平成25年5月24日に発表した。
これにより同社の繰越利益剰余金はゼロとなり、今後は復配も視野に入ることになった。
また、苦しかった時期に発行した優先株の処理のため、新株発行による資本増強の余地を拡大している。
今後の財務戦略に注目が集まりそうだ。
2013年5月31日金曜日
自動車部品会社決算レビュー(ショーワ)
株式会社ショーワはホンダ系の自動車部品会社である。
ショックアブソーバーやステアリングを製造していて、売上高はホンダ向けが8割近い。
二輪・汎用事業、四輪事業、ステアリング事業が主な事業だ。
最近の業績は以下の通りである。
(単位:百万円) 売上高 経常利益 当期純利益 1株当たり配当金
平成24年3月期 215,889 7,330 2,549 10
平成25年3月期 232,962 13,916 7,984 26
平成26年3月期予想 274,000 20,000 8,000 28
業績が好調に伸長していることが分かる。
配当性向は今のところ30%未満であり高いとは言えないが、増配のスピードは順調だ。
セグメントごとに内容を見てゆこう。
<平成24年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
二輪・汎用事業 73,583 10,068 44,420
四輪事業 66,869 △1,292 43,838
ステアリング事業 61,524 △1,909 58,302
<平成25年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
二輪・汎用事業 67,265 7,134 47,930
四輪事業 80,529 3,349 46,074
ステアリング事業 71,130 1,713 56,119
業績伸長の理由は主力の二輪事業ではなく、四輪事業とステアリング事業が赤字から脱却できたことにあった。
四輪事業の回復は、ホンダの四輪売上高が平成24年3月期には落ち込んでいたが平成25年3月期に復調したためであろう。
中国が失速しているものの、国内・北米・アジアは好調だ。
ステアリング事業の回復も同様の理由である。
一方、二輪事業はブラジルやインドネシアにおける金融規制の影響で販売が減少している。
こちらについては一過性のものであれば良いが、注意が必要であろう。
主力3事業ともに黒字転換しているのは大きいし、円安メリットも見込める。
二輪事業はセグメント資産が増えているように設備投資も行っているし、二輪事業が本調子になってくればさらなる増配が見込めるだろう。
ショックアブソーバーやステアリングを製造していて、売上高はホンダ向けが8割近い。
二輪・汎用事業、四輪事業、ステアリング事業が主な事業だ。
最近の業績は以下の通りである。
(単位:百万円) 売上高 経常利益 当期純利益 1株当たり配当金
平成24年3月期 215,889 7,330 2,549 10
平成25年3月期 232,962 13,916 7,984 26
平成26年3月期予想 274,000 20,000 8,000 28
業績が好調に伸長していることが分かる。
配当性向は今のところ30%未満であり高いとは言えないが、増配のスピードは順調だ。
セグメントごとに内容を見てゆこう。
<平成24年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
二輪・汎用事業 73,583 10,068 44,420
四輪事業 66,869 △1,292 43,838
ステアリング事業 61,524 △1,909 58,302
<平成25年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
二輪・汎用事業 67,265 7,134 47,930
四輪事業 80,529 3,349 46,074
ステアリング事業 71,130 1,713 56,119
業績伸長の理由は主力の二輪事業ではなく、四輪事業とステアリング事業が赤字から脱却できたことにあった。
四輪事業の回復は、ホンダの四輪売上高が平成24年3月期には落ち込んでいたが平成25年3月期に復調したためであろう。
中国が失速しているものの、国内・北米・アジアは好調だ。
ステアリング事業の回復も同様の理由である。
一方、二輪事業はブラジルやインドネシアにおける金融規制の影響で販売が減少している。
こちらについては一過性のものであれば良いが、注意が必要であろう。
主力3事業ともに黒字転換しているのは大きいし、円安メリットも見込める。
二輪事業はセグメント資産が増えているように設備投資も行っているし、二輪事業が本調子になってくればさらなる増配が見込めるだろう。
2013年5月30日木曜日
NTTグループが確定拠出型企業年金導入か
NTTグループが確定拠出型企業年金を労働組合に提案したことがわかった。
企業年金には、確定給付型と確定拠出型がある。
確定給付型は、「給付が確定」しており、運用成果に関わらず受給者は一定の年金を受け取れる。一方で、企業側は運用が失敗した時のリスクを負担し、損失が出た場合には穴埋めを求められる。
確定拠出型は、「拠出が確定」しており、企業が毎月積み立てる額が一定で、運用成果によって受給者が受け取れる額が決まる。企業側は運用が失敗したときのリスクを負う必要がない。
よって確定給付型は企業責任の年金、確定拠出型は従業員責任の年金といえるだろう。
日本では従来は確定給付型が圧倒的に多かったが、例によってアメリカから自己責任の確定拠出型(401k)が輸入されるような形になった。
アメリカでは401kと呼ばれるため、確定拠出型には日本版401kという呼び名もある。
アベノミクスの波に乗ってさらに確定拠出型に移行する企業が増えるかもしれない。
従業員としてはリスクが増える半面、運用成果によっては果実が得られ、またマーケットの勉強ができるという意味で、良い面がある。
企業年金には、確定給付型と確定拠出型がある。
確定給付型は、「給付が確定」しており、運用成果に関わらず受給者は一定の年金を受け取れる。一方で、企業側は運用が失敗した時のリスクを負担し、損失が出た場合には穴埋めを求められる。
確定拠出型は、「拠出が確定」しており、企業が毎月積み立てる額が一定で、運用成果によって受給者が受け取れる額が決まる。企業側は運用が失敗したときのリスクを負う必要がない。
よって確定給付型は企業責任の年金、確定拠出型は従業員責任の年金といえるだろう。
日本では従来は確定給付型が圧倒的に多かったが、例によってアメリカから自己責任の確定拠出型(401k)が輸入されるような形になった。
アメリカでは401kと呼ばれるため、確定拠出型には日本版401kという呼び名もある。
アベノミクスの波に乗ってさらに確定拠出型に移行する企業が増えるかもしれない。
従業員としてはリスクが増える半面、運用成果によっては果実が得られ、またマーケットの勉強ができるという意味で、良い面がある。
国際会計基準の強制適用は今回も見送り
金融庁は国際会計基準(IFRS)を上場企業に強制適用する時期を明記せず、最短で2016年とされていた強制適用は先送りされる可能性が高まった。
先送りの理由は、会計処理の大幅な変更に伴うコストである。
システム変更や開示チームの拡充など、国際会計基準には上場企業といえども馬鹿にならないコストがかかる。
グローバル企業ではない上場企業から反対の声があがったのは当然であろう。
元々、日本の株式市場が低迷していた時期に、その低迷を日本独自の会計基準が原因の一つだとして、国際会計基準の導入論議が盛り上がった。
しかし、当時から日本の会計基準のレベルは高く、国際会計基準とも遜色のない内容(上回っている部分も下回っている部分もあり、一長一短)であったと思う。
勿論、国際会計基準に合わせようとして、基準を改正してレベルを引き上げたことも寄与していたが、当時でも日本の会計基準のせいで日本の株式市場が低迷しているようには思えなかった。
今回のアベノミクスでマーケットにおけるジャパンパッシングの主な原因は会計基準ではなく、金融政策であったことが明確になった。
このような流れの中で、国際会計基準の導入論議はますます失速しているといえる。
とはいえ、国際会計基準の導入が望ましいグローバル企業が日本に多いのも事実。
国際会計基準は、真のグローバル企業にとってはメリットもある。
全上場会社に強制適用するのではなく、任意適用の範囲を広げたとのことで、穏当な判断になったと思う。
先送りの理由は、会計処理の大幅な変更に伴うコストである。
システム変更や開示チームの拡充など、国際会計基準には上場企業といえども馬鹿にならないコストがかかる。
グローバル企業ではない上場企業から反対の声があがったのは当然であろう。
元々、日本の株式市場が低迷していた時期に、その低迷を日本独自の会計基準が原因の一つだとして、国際会計基準の導入論議が盛り上がった。
しかし、当時から日本の会計基準のレベルは高く、国際会計基準とも遜色のない内容(上回っている部分も下回っている部分もあり、一長一短)であったと思う。
勿論、国際会計基準に合わせようとして、基準を改正してレベルを引き上げたことも寄与していたが、当時でも日本の会計基準のせいで日本の株式市場が低迷しているようには思えなかった。
今回のアベノミクスでマーケットにおけるジャパンパッシングの主な原因は会計基準ではなく、金融政策であったことが明確になった。
このような流れの中で、国際会計基準の導入論議はますます失速しているといえる。
とはいえ、国際会計基準の導入が望ましいグローバル企業が日本に多いのも事実。
国際会計基準は、真のグローバル企業にとってはメリットもある。
全上場会社に強制適用するのではなく、任意適用の範囲を広げたとのことで、穏当な判断になったと思う。
住宅ローンを変動から固定に借り換えるべきか
三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の3メガバンクが、6月に適用する固定型住宅ローンの金利を最大0.2%程度引き上げる方針とのことだ。
但し、今のところ、変動型住宅ローンの金利は1%程度に据え置かれる見通しである。
住宅ローン金利と必ずしも連動するわけではないが、金利動向の参考値として長期プライムレートを確認しておきたい。
長期プライムレートとは、民間金融機関が企業に対して期限1年以上の融資をする際の最優遇金利である。
以下は日銀が公表している長期プライムレート(みずほコーポレート銀行のものを掲載)の推移である。
平成24年3月1.35%
平成24年5月1.30%
平成24年7月1.25%
平成24年11月1.20%
平成25年2月1.15%
平成25年4月1.20%
平成25年5月1.25%
確かにアベノミクス以降上昇しているが、マーケットでの入札で決まる国債の利回りほどの激しい動きはない。
依然として低金利ではある。
しかし平成18年頃からは一貫して下落トレンドにあった長期金利が上昇しているのは事実である。
長期プライムレートが上昇し始めたら、変動金利から固定金利の借り換えをするというのは一つの考え方だろう。
このような金融の動きにはトレンドがあるため、一度その方向に動いたら暫くはトレンドが変わらないことも多い。
しかし、借り換えは新しくローンを組んで、今までのローンを一括返済することになるため、今までに延滞等の事実がないことは勿論、諸経費と手続が馬鹿にならない。
また、固定金利型は変動金利型の金利据え置きオプションであるため、当然にその時点の変動金利よりも高い金利が設定されている。
特に住宅ローンの場合には、借入残高が大きい序盤の金利の高低が総支払利息に大きな影響を及ぼす。
このような事情を考えると、この程度の長期プライムレートの動きであれば様子見というのも一つの考え方だと思う。
最終的には日本経済の実力をどの程度評価するかだろう。
今後、爆発的に金利が上昇してしまうような脆弱な経済なのかどうか。
国の借金は多額でも、企業や国民の貯蓄があり、依然として世界一の対外純資産国家である。
私は今のところ、変動から固定への借り換えを焦る必要はないと思っている。
但し、今のところ、変動型住宅ローンの金利は1%程度に据え置かれる見通しである。
住宅ローン金利と必ずしも連動するわけではないが、金利動向の参考値として長期プライムレートを確認しておきたい。
長期プライムレートとは、民間金融機関が企業に対して期限1年以上の融資をする際の最優遇金利である。
以下は日銀が公表している長期プライムレート(みずほコーポレート銀行のものを掲載)の推移である。
平成24年3月1.35%
平成24年5月1.30%
平成24年7月1.25%
平成24年11月1.20%
平成25年2月1.15%
平成25年4月1.20%
平成25年5月1.25%
確かにアベノミクス以降上昇しているが、マーケットでの入札で決まる国債の利回りほどの激しい動きはない。
依然として低金利ではある。
しかし平成18年頃からは一貫して下落トレンドにあった長期金利が上昇しているのは事実である。
長期プライムレートが上昇し始めたら、変動金利から固定金利の借り換えをするというのは一つの考え方だろう。
このような金融の動きにはトレンドがあるため、一度その方向に動いたら暫くはトレンドが変わらないことも多い。
しかし、借り換えは新しくローンを組んで、今までのローンを一括返済することになるため、今までに延滞等の事実がないことは勿論、諸経費と手続が馬鹿にならない。
また、固定金利型は変動金利型の金利据え置きオプションであるため、当然にその時点の変動金利よりも高い金利が設定されている。
特に住宅ローンの場合には、借入残高が大きい序盤の金利の高低が総支払利息に大きな影響を及ぼす。
このような事情を考えると、この程度の長期プライムレートの動きであれば様子見というのも一つの考え方だと思う。
最終的には日本経済の実力をどの程度評価するかだろう。
今後、爆発的に金利が上昇してしまうような脆弱な経済なのかどうか。
国の借金は多額でも、企業や国民の貯蓄があり、依然として世界一の対外純資産国家である。
私は今のところ、変動から固定への借り換えを焦る必要はないと思っている。
スペインの失業率
OECDの発表ではスペインの失業率は2014年に28%まで上昇する見込みとのことだ。
特に若年層では失業率が既に50%超えている。
リーマンショック前は失業率は10%未満だったため、この5年ほどで急激に上昇していることになる。
現在の日本人には失業率28%というのは想像ができないぐらいの率だ。
深刻な社会問題が頻発しているだろう。
ヨーロッパの景気は本当に持つのだろうか。
心配である。
特に若年層では失業率が既に50%超えている。
リーマンショック前は失業率は10%未満だったため、この5年ほどで急激に上昇していることになる。
現在の日本人には失業率28%というのは想像ができないぐらいの率だ。
深刻な社会問題が頻発しているだろう。
ヨーロッパの景気は本当に持つのだろうか。
心配である。
自動車部品会社決算レビュー(リョービ)
リョービ株式会社はダイカストが主力の自動車部品会社。
ダイカスト事業の他、印刷機器事業と住建機器事業を手掛ける。
ダイカスト事業はシェア高い。
最近の業績動向は以下の通り。
(単位:百万円) 売上高 経常利益 当期純利益
平成24年3月期 165,638 6,950 4,179
平成25年3月期 166,566 2,980 2,009
平成26年3月期予想 183,000 3,200 2,100
業績は平成21年度の赤字以来は非常に安定している。
配当も黒字転換した平成22年度以降は毎年一株当たり6円と安定している。
セグメント情報は以下の通り。
<平成24年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
ダイカスト 123,360 6,079 117,757
印刷機器 17,532 △710 23,344
住建機器 24,744 2,346 26,178
<平成25年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
ダイカスト 126,673 2,242 150,281
印刷機器 15,584 △711 17,477
住建機器 24,309 1,776 25,985
セグメント情報を見ると、意外にも住建機器事業が業績に貢献していることが分かる。
内容はパワーツールと建築用品(ドアクローザ)だ。
しかし、販売競争の激しさから粗利が低下し、平成25年3月期は減益となっている。
一方、住建機器事業には輸出があるため、来期は円安のメリットを受けられる。
やはり主力はダイカスト事業だ。
平成25年3月期は固定費の増加や製品単価の下落により増収減益となっている。
減益幅が大きいのが気がかりであるが、これは新工場の建設に伴う固定費だろう。
中国工場が平成24年4月に完成し11月から量産を開始、タイ工場が平成24年10月に完成し平成25年6月から量産を開始する。
これに伴ってダイカスト事業のセグメント資産は増加している。
円安の恩恵を受けられる時期にちょうど新工場が完成してきており、期待できるのではないか。
ダイカスト事業の他、印刷機器事業と住建機器事業を手掛ける。
ダイカスト事業はシェア高い。
最近の業績動向は以下の通り。
(単位:百万円) 売上高 経常利益 当期純利益
平成24年3月期 165,638 6,950 4,179
平成25年3月期 166,566 2,980 2,009
平成26年3月期予想 183,000 3,200 2,100
業績は平成21年度の赤字以来は非常に安定している。
配当も黒字転換した平成22年度以降は毎年一株当たり6円と安定している。
セグメント情報は以下の通り。
<平成24年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
ダイカスト 123,360 6,079 117,757
印刷機器 17,532 △710 23,344
住建機器 24,744 2,346 26,178
<平成25年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
ダイカスト 126,673 2,242 150,281
印刷機器 15,584 △711 17,477
住建機器 24,309 1,776 25,985
セグメント情報を見ると、意外にも住建機器事業が業績に貢献していることが分かる。
内容はパワーツールと建築用品(ドアクローザ)だ。
しかし、販売競争の激しさから粗利が低下し、平成25年3月期は減益となっている。
一方、住建機器事業には輸出があるため、来期は円安のメリットを受けられる。
やはり主力はダイカスト事業だ。
平成25年3月期は固定費の増加や製品単価の下落により増収減益となっている。
減益幅が大きいのが気がかりであるが、これは新工場の建設に伴う固定費だろう。
中国工場が平成24年4月に完成し11月から量産を開始、タイ工場が平成24年10月に完成し平成25年6月から量産を開始する。
これに伴ってダイカスト事業のセグメント資産は増加している。
円安の恩恵を受けられる時期にちょうど新工場が完成してきており、期待できるのではないか。
2013年5月29日水曜日
自動車部品会社レビュー(安永)
自動車部品会社の25年3月期決算についてレビューしたい。
株式会社安永は、エンジン部品が主力事業であるが、機械装置事業や環境機器事業も手掛けている。
ここまでの配当傾向をみると安定配当とは言えないが、配当に対する意識は高く、業績が良くなれば適切に増配するだろうと思う。
しかし、機械装置事業に含まれる太陽電池ワイヤソーが苦戦。
太陽電池関連としてもてはやされたこともあったが、業績には悪影響を与えている。
とはいえ、太陽電池関連は業界全体が悪いため、経営責任とは言えないだろう。
以下、セグメント情報から同社の状況を読み解こう。
<平成24年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
エンジン部品 25,085 1,201 19,635
機械装置 8,459 △76 5,885
環境機器 2,441 △16 2,061
<平成25年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
エンジン部品 25,674 1,362 17,774
機械装置 5,077 △1,863 6,143
環境機器 2,871 117 2,318
エンジン部品事業は、国内とインドネシアが好調で増収増益を確保した。
売り上げの増加以上にセグメント利益が増えており、良い傾向と考えられる。
今後自動車業界全体の回復に乗っていけるのではないか。
機械装置事業には、自動車用工作機械と太陽電池ワイヤソーが含まれる。
まず、自動車用工作機械については、大口の売り上げが次年度にずれたとのことである。
一方、太陽電池ワイヤソー事業はより深刻だ。
既に滞留在庫を抱えており、棚卸資産の評価損も11億円計上している。
棚卸資産の評価損は売上原価の区分に計上するのが原則のため、セグメント損失18億円のうち11億円は太陽電池ワイヤソー在庫の評価減と思われる。
棚卸資産の評価損を計上している以上、今後の見通しも良くなく、回復には時間がかかりそうだ。
いかに赤字幅を抑えられるかが重要だが、太陽電池関連事業は同社の特徴でもあるため、続けてもらいたいように思う。
環境機器事業は、新型エアーポンプやディスポーザーシステムの好調で良くなっている。
今後も期待できるのではないか。
同社全体の業績推移は以下となっている。
売上高 経常利益 当期純利益
平成23年度 36,314 1,055 882
平成24年度 33,966 △275 △524
平成25年度予想 30,000 525 200
平成25年度の予想については、国内新車市場が前年割れ水準であること、韓国工場のエンジン部品生産立ち遅れ、太陽電池ワイヤソーの販売低迷により売上高が減少見込みとなっている。
販管費を削れており、棚卸資産の評価損もなくなるため、経常利益は確保できそうだ。
東南アジア自動車市場の推移によっては、業績上ブレもあるのではないかと思う。
株式会社安永は、エンジン部品が主力事業であるが、機械装置事業や環境機器事業も手掛けている。
ここまでの配当傾向をみると安定配当とは言えないが、配当に対する意識は高く、業績が良くなれば適切に増配するだろうと思う。
しかし、機械装置事業に含まれる太陽電池ワイヤソーが苦戦。
太陽電池関連としてもてはやされたこともあったが、業績には悪影響を与えている。
とはいえ、太陽電池関連は業界全体が悪いため、経営責任とは言えないだろう。
以下、セグメント情報から同社の状況を読み解こう。
<平成24年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
エンジン部品 25,085 1,201 19,635
機械装置 8,459 △76 5,885
環境機器 2,441 △16 2,061
<平成25年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
エンジン部品 25,674 1,362 17,774
機械装置 5,077 △1,863 6,143
環境機器 2,871 117 2,318
エンジン部品事業は、国内とインドネシアが好調で増収増益を確保した。
売り上げの増加以上にセグメント利益が増えており、良い傾向と考えられる。
今後自動車業界全体の回復に乗っていけるのではないか。
機械装置事業には、自動車用工作機械と太陽電池ワイヤソーが含まれる。
まず、自動車用工作機械については、大口の売り上げが次年度にずれたとのことである。
一方、太陽電池ワイヤソー事業はより深刻だ。
既に滞留在庫を抱えており、棚卸資産の評価損も11億円計上している。
棚卸資産の評価損は売上原価の区分に計上するのが原則のため、セグメント損失18億円のうち11億円は太陽電池ワイヤソー在庫の評価減と思われる。
棚卸資産の評価損を計上している以上、今後の見通しも良くなく、回復には時間がかかりそうだ。
いかに赤字幅を抑えられるかが重要だが、太陽電池関連事業は同社の特徴でもあるため、続けてもらいたいように思う。
環境機器事業は、新型エアーポンプやディスポーザーシステムの好調で良くなっている。
今後も期待できるのではないか。
同社全体の業績推移は以下となっている。
売上高 経常利益 当期純利益
平成23年度 36,314 1,055 882
平成24年度 33,966 △275 △524
平成25年度予想 30,000 525 200
平成25年度の予想については、国内新車市場が前年割れ水準であること、韓国工場のエンジン部品生産立ち遅れ、太陽電池ワイヤソーの販売低迷により売上高が減少見込みとなっている。
販管費を削れており、棚卸資産の評価損もなくなるため、経常利益は確保できそうだ。
東南アジア自動車市場の推移によっては、業績上ブレもあるのではないかと思う。
南アフリカの経済失速が懸念される
今日発表された南アフリカの2013年1-3月期のGDPは、前期比年率で+0.9%(市場予想+1.6%、前回発表は2.1%)、前年比も+1.9%(市場予想+2.2%、前回発表は2.5%)となり、失速している。
このため、南アランド・円は10.35を下回って推移しており、調整の節目と思われた10.50近辺から乖離してしまった。
日本人に人気の高金利通貨だけに先行きが気になるところだ。
このため、南アランド・円は10.35を下回って推移しており、調整の節目と思われた10.50近辺から乖離してしまった。
日本人に人気の高金利通貨だけに先行きが気になるところだ。
2013年5月28日火曜日
配当総額増加額ランキング
2013年3月期配当総額の増加額(前期比)のランキングは以下のようである。
(単位:億円) 配当増加額 配当総額 増加率
1.トヨタ 1,379 3,103 80%
2.JT 360 1,360 36%
3.JAL 344 344 ‐
4.ホンダ 289 1,376 27%
5.日産 226 1,130 25%
※配当増加額と配当総額は日経新聞より転載
やはり、金額・増加率ともに圧倒的なのはトヨタ。
日本を代表する企業の座は今後も揺るぎないだろう。
稲森会長の元で復活を遂げたJALも日本経済に貢献する企業として復活したと言える。
やはり円安の恩恵を最も受けるのは、日本で最も競争力の高い自動車産業のようで、自動車メーカーが多くランクインしている。
自動車部品メーカー等の裾野も広いため、今後も大手自動車会社各社の快進撃を期待したい。
(単位:億円) 配当増加額 配当総額 増加率
1.トヨタ 1,379 3,103 80%
2.JT 360 1,360 36%
3.JAL 344 344 ‐
4.ホンダ 289 1,376 27%
5.日産 226 1,130 25%
※配当増加額と配当総額は日経新聞より転載
やはり、金額・増加率ともに圧倒的なのはトヨタ。
日本を代表する企業の座は今後も揺るぎないだろう。
稲森会長の元で復活を遂げたJALも日本経済に貢献する企業として復活したと言える。
やはり円安の恩恵を最も受けるのは、日本で最も競争力の高い自動車産業のようで、自動車メーカーが多くランクインしている。
自動車部品メーカー等の裾野も広いため、今後も大手自動車会社各社の快進撃を期待したい。
神戸製鋼が高炉を休止
神戸製鋼所が神戸製鉄所にある高炉の休止を検討しているとのことである。
同製鉄所の高炉を休止すると神戸製鋼の粗鋼生産能力は2割弱の削減となる。
神戸製鋼といえば、新日鉄と住金の合併の際に取り残された感があり、粗鋼生産量での世界シェアはかなり小さい。
一方でアルミ・銅や建機が比較的好調であった。
セグメント情報から同社の最近の部門別の動向を見ておこう。
平成24年3月期の神戸製鋼のセグメント情報の主な部分は以下のとおりである。
(百万円単位) <外部売上> <セグメント損益> <セグメント資産>
鉄鋼 816,784 △14,686 954,391
アルミ・銅 288,641 6,081 193,610
機械 145,854 9,899 156,031
建機 306,107 22,865 370,543
平成25年3月期の神戸製鋼のセグメント情報の主な部分は以下のとおりである。
(百万円単位) <外部売上> <セグメント損益> <セグメント資産>
鉄鋼 710,420 △50,212 949,361
アルミ・銅 260,809 3,912 191,123
機械 149,940 12,039 151,460
建機 267,183 6,852 403,469
全体的に売上高の減少に苦しんでいるが、この1年間で鉄鋼部門が急激に悪化したことが分かる。
特に鉄鋼の高炉となるとまさに設備産業の象徴であり、固定費負担が大きい。
それはセグメント資産の大きさが物語っている。
このため、高炉の休止の検討をマーケットは前向きに受け止めているようだ。
建機のセグメント資産が増えているように、建機部門や機械部門で巻き返しを図りたいところだろう。
同製鉄所の高炉を休止すると神戸製鋼の粗鋼生産能力は2割弱の削減となる。
神戸製鋼といえば、新日鉄と住金の合併の際に取り残された感があり、粗鋼生産量での世界シェアはかなり小さい。
一方でアルミ・銅や建機が比較的好調であった。
セグメント情報から同社の最近の部門別の動向を見ておこう。
平成24年3月期の神戸製鋼のセグメント情報の主な部分は以下のとおりである。
(百万円単位) <外部売上> <セグメント損益> <セグメント資産>
鉄鋼 816,784 △14,686 954,391
アルミ・銅 288,641 6,081 193,610
機械 145,854 9,899 156,031
建機 306,107 22,865 370,543
平成25年3月期の神戸製鋼のセグメント情報の主な部分は以下のとおりである。
(百万円単位) <外部売上> <セグメント損益> <セグメント資産>
鉄鋼 710,420 △50,212 949,361
アルミ・銅 260,809 3,912 191,123
機械 149,940 12,039 151,460
建機 267,183 6,852 403,469
全体的に売上高の減少に苦しんでいるが、この1年間で鉄鋼部門が急激に悪化したことが分かる。
特に鉄鋼の高炉となるとまさに設備産業の象徴であり、固定費負担が大きい。
それはセグメント資産の大きさが物語っている。
このため、高炉の休止の検討をマーケットは前向きに受け止めているようだ。
建機のセグメント資産が増えているように、建機部門や機械部門で巻き返しを図りたいところだろう。
日経平均は乱高下
ここ数営業日は日経平均は乱高下。
1000円近い値幅で動く日がある。
以前は売買代金が1兆円を割れる日もあったように思うが、今は売買代金が3兆円を超える状況であるため、短期筋が多く流入しているのは間違いないだろう。
その中で相場の過熱感と中国リスクがあいまり、先物取引のロスカット等を巻き込んで日経平均全体が乱高下しているものと思われる。
そういった意味では短期筋の動きに過ぎず、過度に先行きを心配することはないのではないだろうかと思う。
1000円近い値幅で動く日がある。
以前は売買代金が1兆円を割れる日もあったように思うが、今は売買代金が3兆円を超える状況であるため、短期筋が多く流入しているのは間違いないだろう。
その中で相場の過熱感と中国リスクがあいまり、先物取引のロスカット等を巻き込んで日経平均全体が乱高下しているものと思われる。
そういった意味では短期筋の動きに過ぎず、過度に先行きを心配することはないのではないだろうかと思う。
2013年5月20日月曜日
クロス円は軟調
昨週は米国債の長期金利が上昇し、米ドルはさらに上昇した。
これによりドル円はついに103円台に上昇している。
一方で、米国の長期金利が上昇したことにより、豪ドルと米ドルの金利差が縮小し、豪ドルは売られる動きになった。
これにより豪ドル/円は軟調となっている。
このように、この数週間はドル高が進んだものの、クロス円は軟調となっている。
クロス円が軟調なのは、米国以外の景気動向が不透明であることがあげられる。
ユーロ圏や中国の景気動向はあまり楽観視はできないようだ。
しかし最大の経済大国アメリカの復調とドル高は、世界全体の景気を押し上げることは間違いないだろう。
これによりドル円はついに103円台に上昇している。
一方で、米国の長期金利が上昇したことにより、豪ドルと米ドルの金利差が縮小し、豪ドルは売られる動きになった。
これにより豪ドル/円は軟調となっている。
このように、この数週間はドル高が進んだものの、クロス円は軟調となっている。
クロス円が軟調なのは、米国以外の景気動向が不透明であることがあげられる。
ユーロ圏や中国の景気動向はあまり楽観視はできないようだ。
しかし最大の経済大国アメリカの復調とドル高は、世界全体の景気を押し上げることは間違いないだろう。
2013年5月16日木曜日
借入金とインフレと国の借金
インフレが起こるとインフレを抑えるために中央銀行は政策金利を引き上げる。
政策金利が引き上げられると市中の金利も上がるため、借入金の金利が上がり利払いが増える。
このようにインフレ下では借入金の利払いが増えることから、借入金が多いとインフレ時に損をすると誤解している人が多い。
全ての価格が同様に上昇するような正常なインフレ下では、借入金の金額が名目ベースで固定されているため、インフレによって収入が増えることで借入金の返済は楽になる。
極端な話だが、売上高100万円の会社が100万円の借り入れをしていたとして、100%のインフレが起これば、売上高は200万円のなるのに借入金は100万円のままなので、明らかに返済は楽になる。
インフレ(特にハイパーインフレ)には借金を棒引きする効果があるのだ。
しかし、全ての価格が同様に上昇するような正常なインフレというのが難しい。
実際には売上高や給料が上昇する前に金利が上昇して利払いが増加したりする。
いずれは売上高や給料も上昇するのかもしれないが、それまでの間は苦しくなるのである。
このようなタイムラグに最も耐えられないのは、住宅ローンのサラリーマンではなく、日本国である。
日本政府の税収(42兆)に対する借金(700兆)の比率は、サラリーマンの給料に対する住宅ローンの比率を遥かに上回る大きさである。
何より、日本政府は歳出が多く、借金返済どころか増加させるばかりである。
このため、金利の上昇については、サラリーマンより日本政府の方が先に音を上げることになる。
ここで登場するのが日銀だ。
日銀券ルールを無視すれば、日銀が日本政府の借金をまかない続けることができるため、日本政府が財政破綻することはない。
しかし、中央銀行による国家財政のファイナンスは過去の歴史で見ると通貨の信認を失わせ、ハイパーインフレを引き起こしてきた。
これが今まで大規模な金融緩和に踏み切れなかった理由である。
あの金融マニアの白川前日銀総裁ですら1930年代に経験した、日銀による国債引き受けが引き起こしたインフレを例に出して、大規模な金融緩和策を支持しなかった。
一方で、このままではハイパーインフレが起こるとか、ギリシャみたいになるぞ、というのは早計である。
なぜなら、世界の歴史上ハイパーインフレが起こった国や財政破綻した国と日本では基礎的な経済力が全く異なるからである。
日本の借金のほとんどは海外依存しておらず、国内依存であるため、いわゆるソブリンリスクがない。
日本は世界最大の債権国であり、それは債務を上回っている。
今まで50年以上にわたって稼ぎ続けてきた対外純資産があるのである。
経常収支等が悪化しており、いつ対外純資産を使い切るのかはわからないが、50年かけて溜めこんだ資産が5年で雲散霧消することはない。
だから日本がギリシャのようになることはない、と私は信じている。
父親が3億円の資産を持っているのに、一切母親と子供に渡してくれないため、生活に困った母親が父親の信用力でおじさんからお金を借りて結構いい生活をしている。
父親が3億円をギャンブルで浪費したり(経常収支の急速な悪化)、家庭崩壊(富裕層の流出)に至らなければ、母親と子供が困窮することはない。
日本の現状はこんな感じだろう。
これが、私がアベノミクスを陰ながら支持する理由である。
但し、インフレは多かれ少なかれタイムラグがあり、低所得者層の生活を圧迫することは間違いない。
その対策を忘れてはならない。
そしてインフレによって名目GDPが増えれば、GDPに対する借入金の比率が小さくなる。
また、名目GDPが増えれば税収も増えるため、借入金を返しやすくなる。
こうして日本は借金を軽減してゆくしかないのである。
政策金利が引き上げられると市中の金利も上がるため、借入金の金利が上がり利払いが増える。
このようにインフレ下では借入金の利払いが増えることから、借入金が多いとインフレ時に損をすると誤解している人が多い。
全ての価格が同様に上昇するような正常なインフレ下では、借入金の金額が名目ベースで固定されているため、インフレによって収入が増えることで借入金の返済は楽になる。
極端な話だが、売上高100万円の会社が100万円の借り入れをしていたとして、100%のインフレが起これば、売上高は200万円のなるのに借入金は100万円のままなので、明らかに返済は楽になる。
インフレ(特にハイパーインフレ)には借金を棒引きする効果があるのだ。
しかし、全ての価格が同様に上昇するような正常なインフレというのが難しい。
実際には売上高や給料が上昇する前に金利が上昇して利払いが増加したりする。
いずれは売上高や給料も上昇するのかもしれないが、それまでの間は苦しくなるのである。
このようなタイムラグに最も耐えられないのは、住宅ローンのサラリーマンではなく、日本国である。
日本政府の税収(42兆)に対する借金(700兆)の比率は、サラリーマンの給料に対する住宅ローンの比率を遥かに上回る大きさである。
何より、日本政府は歳出が多く、借金返済どころか増加させるばかりである。
このため、金利の上昇については、サラリーマンより日本政府の方が先に音を上げることになる。
ここで登場するのが日銀だ。
日銀券ルールを無視すれば、日銀が日本政府の借金をまかない続けることができるため、日本政府が財政破綻することはない。
しかし、中央銀行による国家財政のファイナンスは過去の歴史で見ると通貨の信認を失わせ、ハイパーインフレを引き起こしてきた。
これが今まで大規模な金融緩和に踏み切れなかった理由である。
あの金融マニアの白川前日銀総裁ですら1930年代に経験した、日銀による国債引き受けが引き起こしたインフレを例に出して、大規模な金融緩和策を支持しなかった。
一方で、このままではハイパーインフレが起こるとか、ギリシャみたいになるぞ、というのは早計である。
なぜなら、世界の歴史上ハイパーインフレが起こった国や財政破綻した国と日本では基礎的な経済力が全く異なるからである。
日本の借金のほとんどは海外依存しておらず、国内依存であるため、いわゆるソブリンリスクがない。
日本は世界最大の債権国であり、それは債務を上回っている。
今まで50年以上にわたって稼ぎ続けてきた対外純資産があるのである。
経常収支等が悪化しており、いつ対外純資産を使い切るのかはわからないが、50年かけて溜めこんだ資産が5年で雲散霧消することはない。
だから日本がギリシャのようになることはない、と私は信じている。
父親が3億円の資産を持っているのに、一切母親と子供に渡してくれないため、生活に困った母親が父親の信用力でおじさんからお金を借りて結構いい生活をしている。
父親が3億円をギャンブルで浪費したり(経常収支の急速な悪化)、家庭崩壊(富裕層の流出)に至らなければ、母親と子供が困窮することはない。
日本の現状はこんな感じだろう。
これが、私がアベノミクスを陰ながら支持する理由である。
但し、インフレは多かれ少なかれタイムラグがあり、低所得者層の生活を圧迫することは間違いない。
その対策を忘れてはならない。
そしてインフレによって名目GDPが増えれば、GDPに対する借入金の比率が小さくなる。
また、名目GDPが増えれば税収も増えるため、借入金を返しやすくなる。
こうして日本は借金を軽減してゆくしかないのである。
2013年5月14日火曜日
長期金利の上昇
アベノミクスの影響で、長年低下傾向にあった長期金利が上昇した。
これは、株式市場にマネーが流入して債券市場から流出したことによって、国債の買い手が少なくなったためである。
現在の政策下ではこの傾向が続くと思われる。
金利の上昇は、政府債務の利払い問題はじめ、既存債券の価格の下落を引き起こすため、何らかの対策が必要だろう。
特に既存債券の価格下落は、長期の債券であれば深刻だ。
今までの日本のように長期金利が下落傾向であれば意識されづらかったことだが、債券は金利が上昇すれば安全資産ではなくなる。
安全資産だと思って保有していた企業や個人はパニックを起こす恐れがある。
最も簡単な対策は日銀が買い支えることだ。
日銀が買い支えることで、緩やかに長期金利が上昇するようにコントロールできれば良いが、果たしてうまくゆくだろうか。
これは、株式市場にマネーが流入して債券市場から流出したことによって、国債の買い手が少なくなったためである。
現在の政策下ではこの傾向が続くと思われる。
金利の上昇は、政府債務の利払い問題はじめ、既存債券の価格の下落を引き起こすため、何らかの対策が必要だろう。
特に既存債券の価格下落は、長期の債券であれば深刻だ。
今までの日本のように長期金利が下落傾向であれば意識されづらかったことだが、債券は金利が上昇すれば安全資産ではなくなる。
安全資産だと思って保有していた企業や個人はパニックを起こす恐れがある。
最も簡単な対策は日銀が買い支えることだ。
日銀が買い支えることで、緩やかに長期金利が上昇するようにコントロールできれば良いが、果たしてうまくゆくだろうか。
2013年5月13日月曜日
円安ドル高
1ドル100円を突破した為替市場だが、今回の100円突破はアベノミクスによる円安効果に加え、アメリカの雇用統計の改善によりドル高になったことが要因だ。
今回の動きではクロス円に比べてドル円の上昇率が高い。
このパターンの円安ドル高は、今までの金融緩和による円安ドル高よりも好感できると思う。
なぜなら世界最大の経済規模を誇るアメリカの景気が回復しているからだ。
雇用統計はアメリカの経済指標の中で最も重要な指標である。
対米輸出の大きい企業は、米景気回復と円安による二重の恩恵を受けることができるだろう。
今回の動きではクロス円に比べてドル円の上昇率が高い。
このパターンの円安ドル高は、今までの金融緩和による円安ドル高よりも好感できると思う。
なぜなら世界最大の経済規模を誇るアメリカの景気が回復しているからだ。
雇用統計はアメリカの経済指標の中で最も重要な指標である。
対米輸出の大きい企業は、米景気回復と円安による二重の恩恵を受けることができるだろう。
世界の注目を浴びる日本株
今朝のCNNでも昨年11月以降の日本株の上昇について、以下のように語られている。
・日経平均が昨年11月以降ほぼ60%の上昇をしていること
・1QのGDPは年ベースで0.2%の上昇が見込まれること
・円安になっていること
以前はジャパン・パッシングという言葉があったが、日本株は再び世界の注目を浴びる存在に戻ったようだ。
・日経平均が昨年11月以降ほぼ60%の上昇をしていること
・1QのGDPは年ベースで0.2%の上昇が見込まれること
・円安になっていること
以前はジャパン・パッシングという言葉があったが、日本株は再び世界の注目を浴びる存在に戻ったようだ。
2013年5月11日土曜日
シャープに銀行から役員
シャープについに銀行から役員が送り込まれるようだ。
銀行から役員が送り込まれるとなると、なんらかの形で債務整理が行われる可能性が考えられる。
しかし今の日本はアベノミクスで経済環境が激変中である。
シャープにとってアベノミクスは、間に合ったのか、間に合わなかったのか。
今後を注視したい。
銀行から役員が送り込まれるとなると、なんらかの形で債務整理が行われる可能性が考えられる。
しかし今の日本はアベノミクスで経済環境が激変中である。
シャープにとってアベノミクスは、間に合ったのか、間に合わなかったのか。
今後を注視したい。
2倍になるまで
アベノミクスで日経平均は急上昇してきたわけだが、相場は既に過熱しているのだろうか。
現状では、そうは思わない。
単純に考えよう。
・アベノミクス開始前の日経平均は9000円ぐらいだった。
・これからマネタリーベースが2年で2倍になる。
・緩和マネーは特に株式市場・不動産市場に流入しやすい。
この環境が続けば日程平均は18000円を突破する。
売り急いではならない。
今までの常識を捨てれないと、損切りが遅く、利益確定が早い、パターンにはまるだろう。
自分の投資スタイル、経済観を信じよう。
現状では、そうは思わない。
単純に考えよう。
・アベノミクス開始前の日経平均は9000円ぐらいだった。
・これからマネタリーベースが2年で2倍になる。
・緩和マネーは特に株式市場・不動産市場に流入しやすい。
この環境が続けば日程平均は18000円を突破する。
売り急いではならない。
今までの常識を捨てれないと、損切りが遅く、利益確定が早い、パターンにはまるだろう。
自分の投資スタイル、経済観を信じよう。
年金資産の期待運用収益率
退職給付会計で用いられる年金資産の期待運用収益率は、昨今の景気低迷により2%未満に設定されている企業も多かった。
これは有価証券報告書で開示されている。
しかし、アベノミクスではインフレターゲットを2%だと言っている。
つまりはモノを所有していれば、毎年2%ずつ値上がりするわけだ。
期待運用収益率を2%未満と考えているということは、日銀のいうインフレターゲットを信用していないか、有効なモノを所有できませんよと言っているか、のどちらかである。
今後、インフレターゲット2%を下回る期待運用収益率を設定する企業があるのか興味深い。
これは有価証券報告書で開示されている。
しかし、アベノミクスではインフレターゲットを2%だと言っている。
つまりはモノを所有していれば、毎年2%ずつ値上がりするわけだ。
期待運用収益率を2%未満と考えているということは、日銀のいうインフレターゲットを信用していないか、有効なモノを所有できませんよと言っているか、のどちらかである。
今後、インフレターゲット2%を下回る期待運用収益率を設定する企業があるのか興味深い。
1ドル100円を突破
昨日、ドル円レートが100円を突破した。
オーストラリアや韓国も利下げに動いたが、日銀の緩和に比べれば、明らかに小規模だ。
そして、なんといってもアメリカの経済指標が以前より好調である。
しばらく円安基調が続きそうだ。
これに対して消費者物価指数はどのような動きを見せるだろうか。
4月26日に公表された2013年3月の総合指数は、2010年を100として99.4となっており、ここまではほとんど反応していない。
キューピーマヨネーズやマクドナルドが値上げに動くそうだが、今後インフレターゲット2%が達成されるかどうか注視したい。
オーストラリアや韓国も利下げに動いたが、日銀の緩和に比べれば、明らかに小規模だ。
そして、なんといってもアメリカの経済指標が以前より好調である。
しばらく円安基調が続きそうだ。
これに対して消費者物価指数はどのような動きを見せるだろうか。
4月26日に公表された2013年3月の総合指数は、2010年を100として99.4となっており、ここまではほとんど反応していない。
キューピーマヨネーズやマクドナルドが値上げに動くそうだが、今後インフレターゲット2%が達成されるかどうか注視したい。
2013年5月10日金曜日
配当の重要性
企業における配当は、内部留保を吐きだすわけであるから、配当を行っただけ株価が下がるわけであり、投資家にとって理論的には特段の意味はない。
しかし、配当は投資家にとって重要な投資要素だった。
それは、特に日本のマーケットにおいて適切な株価形成が行われていなかったからである。
例えば純資産100億円の会社の時価総額が50億円なんてことが、優良会社でも平気でありえた。
そのような状況下では、配当をして純資産が減るかどうかが株価に与える影響は、理論値通りにゆかない。
このため、配当により確実にキャッシュを得ることは投資家にとって重要だった。
企業が配当を行わなかったからといって、期待した通りに株価が高止まりすることはなかったのだ。
しかし、配当は投資家にとって重要な投資要素だった。
それは、特に日本のマーケットにおいて適切な株価形成が行われていなかったからである。
例えば純資産100億円の会社の時価総額が50億円なんてことが、優良会社でも平気でありえた。
そのような状況下では、配当をして純資産が減るかどうかが株価に与える影響は、理論値通りにゆかない。
このため、配当により確実にキャッシュを得ることは投資家にとって重要だった。
企業が配当を行わなかったからといって、期待した通りに株価が高止まりすることはなかったのだ。
人材派遣会社の高配当と将来性
人材派遣会社といえば、小泉内閣時代の労働者派遣法改正に代表されるように、労働関係の法律による影響を大きく受ける印象だ。
そのような不安定性が災いしているのか、日本の人材派遣会社の株価は割安で高配当の傾向が強かった。
アベノミクスで株価が上がり、配当利回りは低下したが、未だ他の業種よりも高い。
失業率は下落傾向にあり、今後の業績は上向きだろう。
リストラを行った製造業や建設業では、急な需要拡大に伴い技術者や職人の確保が急務だ。
高配当銘柄のポートフォリオの一部として、人材派遣会社という選択はどうだろうか。
そのような不安定性が災いしているのか、日本の人材派遣会社の株価は割安で高配当の傾向が強かった。
アベノミクスで株価が上がり、配当利回りは低下したが、未だ他の業種よりも高い。
失業率は下落傾向にあり、今後の業績は上向きだろう。
リストラを行った製造業や建設業では、急な需要拡大に伴い技術者や職人の確保が急務だ。
高配当銘柄のポートフォリオの一部として、人材派遣会社という選択はどうだろうか。
アベノミクス相場の持続性
アベノミクスで為替と株は即座に反応。
失われた20年の感覚で考えれば、上がりすぎとも思えるような急上昇だ。
しかし、マネタリーベースを2年間で2倍にすると言っているのだから、今までの感覚は一気に捨て去るべきだろう。
モノの量が急には変わらないのに、通貨の量は2倍になるのだ。
単純に考えればモノの値段は2倍になってしまう。
貨幣を持っていると損をして、モノを持っていると得をするという現象が生じる。
そして少なくとも2年間はそれを続けるだろう。
日本の経済構造からして本当に2%のインフレターゲットを達成できるかどうかはわからないが、少なくとも2年間はそれを続けそうなのである。
だから日本株高と円安は1年半ぐらいは持続するのではないか。
失われた20年の感覚で考えれば、上がりすぎとも思えるような急上昇だ。
しかし、マネタリーベースを2年間で2倍にすると言っているのだから、今までの感覚は一気に捨て去るべきだろう。
モノの量が急には変わらないのに、通貨の量は2倍になるのだ。
単純に考えればモノの値段は2倍になってしまう。
貨幣を持っていると損をして、モノを持っていると得をするという現象が生じる。
そして少なくとも2年間はそれを続けるだろう。
日本の経済構造からして本当に2%のインフレターゲットを達成できるかどうかはわからないが、少なくとも2年間はそれを続けそうなのである。
だから日本株高と円安は1年半ぐらいは持続するのではないか。
試される増配力
株式投資において配当利回りを重視する投資家は多い。
特にリーマンショック後の日本株は激安になっていたため、優良銘柄で配当利回りが4%~5%の銘柄はゴロゴロしていた。
しかしアベノミクスの影響で日本株は急上昇し、配当利回り3%超の優良銘柄を探し出すのにも一苦労。
今後は、業績回復に伴い一気に復配・増配をできる銘柄・経営者が、配当重視の投資家に買われてゆくだろう。
そのような投資家は長期投資をしてくれ、会社のファンになる可能性が高いので、会社や経営者にとってもメリットがある。
特にリーマンショック後の日本株は激安になっていたため、優良銘柄で配当利回りが4%~5%の銘柄はゴロゴロしていた。
しかしアベノミクスの影響で日本株は急上昇し、配当利回り3%超の優良銘柄を探し出すのにも一苦労。
今後は、業績回復に伴い一気に復配・増配をできる銘柄・経営者が、配当重視の投資家に買われてゆくだろう。
そのような投資家は長期投資をしてくれ、会社のファンになる可能性が高いので、会社や経営者にとってもメリットがある。
豪ドルについて
5月7日にRBA(オーストラリア中央銀行)は、政策金利を3%から2.75%に引き下げた。
マーケットからは意外な結果と受け止められたようだ。
リーマンショック後のアメリカの金融緩和に始まり、日本まで大規模な金融緩和に踏み切ったことで、世界の主要通貨はかつてないほどの全面的な緩和体制となっている。
このような中で取引規模の小さい豪ドルのような通貨は、対抗措置を講じなければ過去最高値を更新してしまうだろう。
中央銀行にとって利下げを行う際に最大のネックとなるのは、インフレ率に違いない。
日本のように長期デフレに陥っていた国の方が稀で、世界ではインフレで苦しむ国の方が多い。
インフレは国民の生活を直撃するからだ。
この点、豪中銀の発表ではインフレ率は長期目標の範囲内に収まっており、まだ緩和余地があるとのことである。
しかし、アメリカや日本の金融緩和ペースは、多少政策金利を引き下げるようなレベルではなく、かつてない規模であり遥かに大きい。
今回の政策金利の引き下げ程度のRBAの金融緩和では、世界の金融緩和ペースに対しては無力だろう。
このままゆけば、今後も豪ドル高は続き、過去最高値を更新しなければおかしいように思う。
FXでも豪ドル買いは有効な戦略と思うが、中国の経済失速リスクが最大の懸念だろう。
中国でバブル崩壊が起これば、豪ドルは急落し、多くのミセスワタナベがロスカットされることは確実。
豪ドル買いの際には中国から目が離せないように思う。
マーケットからは意外な結果と受け止められたようだ。
リーマンショック後のアメリカの金融緩和に始まり、日本まで大規模な金融緩和に踏み切ったことで、世界の主要通貨はかつてないほどの全面的な緩和体制となっている。
このような中で取引規模の小さい豪ドルのような通貨は、対抗措置を講じなければ過去最高値を更新してしまうだろう。
中央銀行にとって利下げを行う際に最大のネックとなるのは、インフレ率に違いない。
日本のように長期デフレに陥っていた国の方が稀で、世界ではインフレで苦しむ国の方が多い。
インフレは国民の生活を直撃するからだ。
この点、豪中銀の発表ではインフレ率は長期目標の範囲内に収まっており、まだ緩和余地があるとのことである。
しかし、アメリカや日本の金融緩和ペースは、多少政策金利を引き下げるようなレベルではなく、かつてない規模であり遥かに大きい。
今回の政策金利の引き下げ程度のRBAの金融緩和では、世界の金融緩和ペースに対しては無力だろう。
このままゆけば、今後も豪ドル高は続き、過去最高値を更新しなければおかしいように思う。
FXでも豪ドル買いは有効な戦略と思うが、中国の経済失速リスクが最大の懸念だろう。
中国でバブル崩壊が起これば、豪ドルは急落し、多くのミセスワタナベがロスカットされることは確実。
豪ドル買いの際には中国から目が離せないように思う。
2013年5月9日木曜日
自動車業界の復活
トヨタ自動車の2014年3月期の連結純利益予想は、2008年3月期以来6年ぶりに1兆円超えの1兆3700億円の見込み。
冬の時代を乗り切り、アベノミクスの波に乗ってゆく。
自動車業界は元々の競争力が圧倒的なだけに、円安メリット銘柄の中でも特に業績回復の確実性が高い業界だと思う。
黒田緩和が続く限り円安基調が続くだろうから、今後もさらなる期待が持てるように思うが、懸念は中国経済の失速リスクだろう。
自動車会社の中でも中国市場の売上割合が高い日産自動車あたりは若干の注意が必要だろう。
冬の時代を乗り切り、アベノミクスの波に乗ってゆく。
自動車業界は元々の競争力が圧倒的なだけに、円安メリット銘柄の中でも特に業績回復の確実性が高い業界だと思う。
黒田緩和が続く限り円安基調が続くだろうから、今後もさらなる期待が持てるように思うが、懸念は中国経済の失速リスクだろう。
自動車会社の中でも中国市場の売上割合が高い日産自動車あたりは若干の注意が必要だろう。
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