2013年5月30日木曜日

国際会計基準の強制適用は今回も見送り

金融庁は国際会計基準(IFRS)を上場企業に強制適用する時期を明記せず、最短で2016年とされていた強制適用は先送りされる可能性が高まった。
先送りの理由は、会計処理の大幅な変更に伴うコストである。
システム変更や開示チームの拡充など、国際会計基準には上場企業といえども馬鹿にならないコストがかかる。
グローバル企業ではない上場企業から反対の声があがったのは当然であろう。

元々、日本の株式市場が低迷していた時期に、その低迷を日本独自の会計基準が原因の一つだとして、国際会計基準の導入論議が盛り上がった。
しかし、当時から日本の会計基準のレベルは高く、国際会計基準とも遜色のない内容(上回っている部分も下回っている部分もあり、一長一短)であったと思う。
勿論、国際会計基準に合わせようとして、基準を改正してレベルを引き上げたことも寄与していたが、当時でも日本の会計基準のせいで日本の株式市場が低迷しているようには思えなかった。

今回のアベノミクスでマーケットにおけるジャパンパッシングの主な原因は会計基準ではなく、金融政策であったことが明確になった。
このような流れの中で、国際会計基準の導入論議はますます失速しているといえる。

とはいえ、国際会計基準の導入が望ましいグローバル企業が日本に多いのも事実。
国際会計基準は、真のグローバル企業にとってはメリットもある。
全上場会社に強制適用するのではなく、任意適用の範囲を広げたとのことで、穏当な判断になったと思う。


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