2013年7月18日木曜日

NECはスマホ撤退報道で株価上昇。収益改善効果は大きい。

NECが不採算事業となっているスマートフォン事業から撤退するとの報道がでたことで、NECの株価は上昇した。
マーケットは不採算事業からの撤退を好感したようだ。

NECは、子会社のNECカシオモバイルコミュニケーションズでスマートフォン事業を行っているが、ガラケーの時代に一時27%に達していた国内シェアが現在では5%程度まで低迷し、同子会社は約600億円の債務超過になっているとのことだ。
中国のレノボ・グループと交渉していた携帯電話事業の統合についても、NECの希望する過半の出資をレノボが了承せず、見送りとなる見通しとなった。

NTTドコモが、夏の商戦でソニーとサムスンの2機種を大幅に値引きする「ツートップ戦略」を打ち出していることで、NECのスマホ事業は回復の見通しが立たなくなっていた。
このような状況の中で、従来のシェアの奪還は難しく、スマホ事業からの撤退は妥当な判断だろう。

しかし、今後の携帯電話事業はガラケーに特化する方針であり、事業縮小の該当社員をグループ会社に再配置するとのことで、具体的な成長戦略は見えず、まだまだ買いは入れづらい状況だ。
今回の件は、単に赤字部門が整理されるとの評価に終わる可能性が高い。

最近の業績動向は以下の通り。

(単位:百万円)      売上高   経常利益   当期純利益
平成24年3月期     3,036,836   42,050    △110,267
平成25年3月期     3,071,609   92,024      30,434
平成26年3月期予想  3,000,000   70,000      20,000

縮小均衡傾向にあるが、平成24年3月期に計上した大赤字の後、現在では黒字を確保していることは評価できる。
今回のスマホ事業からの撤退に伴う整理コストはまだわからないが、前期に子会社のNECカシオモバイルコミュニケーションズで計上した純損失約400億円が今後なくなるのは大きい。

今後、ITソリューション事業や通信インフラ事業などの主力事業が、緩やかであっても良いので海外で伸びてくるようになれば、安定性が出てきて買いやすくなるのではないだろうか。

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