東栄リーファーラインは、超低温冷凍マグロ運搬の漁船主をサポートするリーディングカンパニーである。
蓄養マグロの船上加工、洋上給油、漁具や資材の補給・輸入代行など、マグロ漁全体を一貫して支援するサービスを提供している。
冷凍船でのマグロ運送と貿易事業(機械・漁具・餌)が主な事業である。
平成25年6月14日の終値が250円であるのに対し、平成25年度の一株当たり配当予想は10円(期末一括)となっており、配当利回りは4%である。
最近の業績動向は以下の通り。
(単位:百万円) 売上高 経常利益 当期純利益 一株当たり配当金
平成24年3月期 11,384 △180 △765 0円
平成25年3月期 9,318 272 201 10円
平成26年3月期予想 8,100 200 120 10円
業績は安定しているとは言えないが、黒字転換後にすぐに復配している点が評価できる。
改善施策が成功して、黒字に転換している。
<自己資本比率分析>
最近の自己資本比率の推移は以下の通り。
平成24年3月期 28.8%
平成25年3月期 30.6%
借入金が多いため、自己資本比率は目安の50%を割っており、財務的な安定性はあまり高くない。
<固定長期適合率分析>
最近の固定長期適合率(固定資産/固定負債+自己資本)の推移は以下の通り。
平成24年3月期 65.6%
平成25年3月期 70.8%
固定長期適合率は目安となる100%を下回っており、固定資産は概ね固定負債と自己資本で賄えているといえる。
この点から財務的安定性に必要以上の心配は不要である。
<セグメント情報分析>
主なセグメントの業績動向は以下の通り。
(平成24年3月期)(単位:百万円)
外部売上 セグメント利益 セグメント資産
海運事業 4,479 61 4,168
貿易事業 2,933 98 2,967
洋上給油事業 3,581 76 884
船舶貸渡事業 387 △88 2,183
(平成25年3月期)(単位:百万円)
外部売上 セグメント利益 セグメント資産
海運事業 3,363 548 4,432
貿易事業 2,678 68 2,580
洋上給油事業 2,857 101 1,252
船舶貸渡事業 414 △70 2,044
海運事業の売上高の減少は、4隻の傭船形態の変更によるものである。
しかし、超低温冷蔵船1隻を海外大手水産会社とタイアップして、安定的な積荷確保を達成している。
また、洋上転載業務の効率化や燃費を重視した最適運航などの「改善施策」が成功したため、セグメント利益が急回復している。
やはり主力事業の急回復は、業績全体に与える影響が大きく、評価できる。
貿易事業については、輸入冷凍餌販売において計画どおりの輸送手段確保ができず、一部の取引が次期に繰り越されたようだ。
また、一部の商品に評価損発生している。
このため、セグメント利益は減少しているが、平成26年3月期は繰り越された取引の分だけ期待できるだろう。
洋上給油事業についても、販売数量が減少して売上高が減少しているが、効率配船によりセグメント利益は増益となっている。
船舶貸渡事業については、傭船料収入がUSドル建てであり、為替の影響を受けている。
平成26年3月期は、円安による回復を期待したい。
全体としては減収・増益傾向が鮮明であり、構造改革が進展したことで、平成26年3月期にも期待できるのではないだろうか。
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