日本バルカー工業は、自動車・プラント・建機向けの工業用シール材料が主力の会社。
シール材料の種類が豊富なほか、配管材料・電子材料・樹脂など、幅広く様々な材料を取り扱っている。
2013年6月21日終値235円に対し、平成26年3月期の予想配当は10円(中間5円・期末5円)であり、配当利回りは4.2%と高い。
最近の業績動向は以下の通り。
(単位:百万円) 売上高 経常利益 当期純利益 自己資本比率
平成24年3月期 38,633 2,704 1,737 58.8%
平成25年3月期 37,778 1,355 837 55.8%
平成26年3月期予想 39,000 1,900 1,100
取り扱い分野が幅広いこともあり、業績動向は比較的安定しているといえる。
自己資本比率も安全性の目安の50%を超えており、配当の維持継続性についてある程度は期待できるだろう。
一方で、一株当たり当期純利益と配当額の関係は以下のようになっている。
(単位:円) 一株当たり利益 一株当たり配当
平成24年3月期 19.66 8.00
平成25年3月期 9.48 10.00
平成26年3月期予想 12.45 10.00
会社の配当方針は、連結当期純利益の50%を株主還元する方針と記載されているため、現状は会社の配当方針以上の配当が出る予定となっている。
株主還元に積極的であることが評価できるが、業績下振れの際には減配を意識する必要がありそうだ。
セグメントごとの業績動向は以下の通り
<平成24年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
シール製品 28,995 2,922 23,059
機能樹脂製品 8,497 3 7,038
環境関連 1,141 △316 4,807
<平成25年3月期>
(単位:百万円) 外部売上 セグメント利益 セグメント資産
シール製品 27,501 1,785 22,483
機能樹脂製品 7,371 △177 7,122
環境関連 2,905 △368 4,203
シール製品事業は、自動車関連や海外プラント向けが堅調だったが、国内プラント・半導体関連・産業機械向けが振るわずに減収・減益となっている。
機能樹脂製品は、半導体関連や中国向けが振るわずに、こちらも減収・減益となっている。
環境関連事業が増収となっているのは、前期から機能膜事業を中心とする新規連結子会社もあり、環境をキーワードとする事業展開を行っているため。
しかし、こちらもセグメント利益を確保するには至っていない。
当面の間はシール製品事業に頼ることになりそうだ。
シール事業については、自動車関連の伸びや国内設備投資の回復に伴う国内プラント向けが期待できそうである。
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